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2013/07/01

No.1をめざせ その1

ここからが本編。
キョーコさんの新しい仕事とは?


『きまぐれ~』の収録を終えると、キョーコは挨拶を済ませすぐに事務所に向かい、まっすぐに椹の元へ向かう。
椹は自分のデスクでキョーコを待っていてくれた。

「本当に凄い番組のオファーだよ、最上くん」
部屋の隅に置かれたソファーの向かいに座る椹は、A4の紙の束を手にしている。
表紙には『夢の対決!No.1をめざせ!』と書いてある。おそらく、これがキョーコに来た仕事の概要を書いたモノだろう。
キョーコはゴクリとつばを飲み込んだ。

「それで、どんな番組なんですか?」
キョーコが尋ねると、椹は1度咳払いをしてから話し始める。
「最上くん、今年のフジの24時間テレビについては何か聞いているかい?」
「はい。確かテーマが『No.1、そしてOnly one!』でしたよね」
「その通りだ」
「あと、先の現場でブリッジロックの皆さんが出演されることも聞きました。詳しいことは聞いていませんけど」
「それだよ」
椹はにこりと笑う。
「と、言いますと?」
「君に依頼が来たのは、その、ブリッジロックが司会を務める番組なんだ」
「ええっ!」

急に舞い込んだ大きな話。
それに知っている人が出演するというのは心強い話である。
キョーコの顔がぱあっと輝いた。
キョーコの様子に椹は満足そうに微笑むと、話を続けた。

「それで番組の内容なんだが。テーマの「No.1」に重きを置いていて、違うジャンルで活躍するNo.1がこれまた違うジャンルで対決して真のNo.1を決めよう、という企画なんだ」
「ひょっとして、その対決内容がお料理、なんですか?」
先の電話で、椹がキョーコが選ばれた理由に「料理上手」を上げていたのを思いだし、キョーコは尋ねる。
椹は大きく頷いた。
「その通り。君はその対決で、ブリッジと共に審査員をしてもらうことになっているんだ」
「ええっ!私が審査員ですか?」
「ああ」

料理対決となれば、審査するにふさわしい舌を持った人物でないといけない。
けれど、一流料理人や批評家を呼ぶとどうにも堅いイメージになるし、盛り上がりに欠ける。
ブリッジの3人の舌を信用しないわけではないが、しっかりと審査出来る芸能人を1人ゲストに迎えたい。

「と、そんな風にプロデューサーが悩んでいるところに、居合わせた緒方監督が君のことを紹介してくれたらしい」
「緒方監督が?」
「ああ。君は『DARK MOON』の収録の時に差し入れを持って行ったり、バレンタインに手作りチョコをあげたりしたんだろう?」
「それは……しましたけど」
「その料理やお菓子がとてもおいしかったから、料理上手のキョーコさんならどうですか、と緒方監督がプロデューサーに助言したらしいんだ」
緒方監督が演技だけでなく、そんなところも認めてくれていたとは。
キョーコは何かくすぐったくなって、笑みをこぼす。

「それで、だ。料理上手なら舌も正確だろうということで、君が候補に挙がったんだ」
「ありがとう、ございます」
「そして更に、君が今回対決する2人とも共演経験があると分かってね。プロデューサーも君以外考えられない、と今日直々に企画書を持って来てくれたんだ」
「そんな……」
プロデューサー直々なんて、身に余る光栄だ。キョーコの胸がドキドキと高鳴る。
「いやぁ本当に数少ない貴重な人物だよ、君は。デビューしてそれほど経っていないのに、普段関わる事のない2人とそれぞれ共演経験があるんだからね。2人は活躍しているジャンルが違うから、共演はおろか顔を合わせることだってそうないだろうにねぇ。君は全く運がいいよ」
椹がうんうんと頷いている姿を見て、キョーコははたと思い出す。
まだメインの2人が誰なのか、聞いていなかったのだ。

「ところで椹さん、対決をするNo.1のお2人って誰なんですか?ジャンルの違うところで活躍するNo.1の方々なんですよね?」
キョーコが尋ねると、椹は待っていました!と言わんばかりに得意な顔をする。
「ああ。間違いなくNo.1の2人だ」
椹はにやりと笑う。

「1人は我らがLMEのNo.1俳優、敦賀蓮」
「敦賀さんなんですか!」
俳優のNo.1と言えば、敦賀蓮。これはキョーコの中でも揺るぎない決定事項だ。
さすがですね!と目を輝かせるキョーコに椹は満足そうに頷く。
「じゃあ、もう1人はどなたなんですか?」
俳優から蓮が選ばれたとなると、もう1人は俳優ではないということだろう。
キョーコは尋ねながらも脳内でこれまでに共演した俳優以外の人物を思い起こそうとするが、どうにも思いつかない。
一瞬、アイドルの松内瑠璃子が浮かぶが、彼女とは演技対決こそすれ、共演はするに至っていない。
「瑠璃子ちゃん、は違うとして……」
「瑠璃か。いい線までいったな」
首をひねりつつ考えていたことが口に出ていたらしい。椹が反応する。
「え……瑠璃子ちゃんがですか?」
キョーコが問うが、椹はにこにこと笑うだけだ。
「浮かばないかい?」
「もう!椹さん!もったいぶらないで教えてください!」
キョーコが身を乗り出すと、椹はまた、にやりと笑った。

「不破だ」
「え……?」
「新曲を出せば必ずオリコンチャート1位。歌手業界No.1の不破尚だよ」
「は……」
「君は共演しているだろう?プロモーションビデオで」
椹は手にしていた書類を数枚めくった後、キョーコに示した。

出演:敦賀蓮、不破尚。
司会:ブリッジロック(石橋光、石橋慎一、石橋雄生)
ゲスト審査員:京子

椹から書類をひったくり、キョーコは間近で見て確認するが、間違いなくそう書かれている。
「う、嘘でしょおおおおおおおおおおお!」
夜の事務所に、キョーコの絶叫が響き渡った。



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完結:No.1をめざせ

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