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2015/02/02

くすしとめいおう。①


花とゆめで連載中の『コレットは死ぬことにした』。
コレットさんとハデスさんをキョーコさんと蓮さんが演じたら、というお話。
完全浅得なお話ですが何かーーーー!

ちなみに、以前の落書きの時にちょろっと書いた小話とは関係がございません。
何でもこいやー!な方のみどうぞ。

うっかり前後編だけで終わらなくなったとだけ先に言っておく。





「漫画の実写化、ですか」
「そうそう。雑誌の創刊40周年を記念して、いくつかの作品を実写化する企画があるそうなんだ」
椹は机の中から封筒を取り出し、キョーコに向けて差し出した。
キョーコはそれを受け取り、中身を確認する。

「えーっと『コレットは……』って、これが作品名なんですか?」
「ああ。ちょっと奇抜なタイトルだが、中身は感動ロマンスらしい」
「はあ……」
「まあ、あっちで座って話をしようか」
どういう仕事なのか図りかねるキョーコを、椹は来客用の応接スペースへと連れて行き座らせた。

「雑誌のPR用にその雑誌に掲載されている漫画を何本か実写化してショートドラマを撮るらしくて。そのひとつがこれだ」
椹はキョーコに、一冊のコミックを差し出す。
「君にオファーが来た役が、この作品の主人公。コレットという薬師だ」
椹は表紙に描かれた女の子を指す。キョーコはコミックを受け取り、じっと見つめた。
「薬師……」
「コレットは働き者なんだがな、仕事に疲れ果ててしまって逃げ出したいと井戸に飛びこむんだ。その先で冥府の王・ハデスに出会う」
「冥府……、だからああいうタイトルなんですね」
「ああ。実はそのハデスは病に罹っていてね。それをコレットが冥府に通って治療するという話らしい」
「なるほど」
キョーコはぱらりと漫画をめくる。
「ああそれ、持って帰ってゆっくり読むといいから」
「ありがとうございます」
ぱたんと本を閉じ、キョーコが鞄にしまうのを確認してから、椹は話を続ける。

「ちなみに、ハデス役は蓮だから」
「へ?」
「社長とここの編集長が友人でね。ハデスには蓮をと言われたらしい。コレットはLMEからなら誰でもいい、ということだったらしくて。君に白羽の矢が立ったんだよ」
よかったね、とにこにこと笑う椹。
しかし「社長が直々に君を推薦したらしいから」などと続けれられてしまえば、キョーコは何となく裏があるのではと疑ってしまい素直に喜べない。
「蓮のスケジュールの都合で撮影まで時間がないようだが、折角のオファーだ。楽しんできなさい」
「はい」
裏があろうがなかろうが、仕事は仕事。きちんとこなさなくては、とキョーコは気持ちを引き締めたのだった。


「なかなかの娘さんね、コレットさんは……」
椹との打ち合わせを終えてすぐ、キョーコはラブミー部の部室でもらったコミックをチェックしていた。
「でも、仕事に一生懸命に打ち込むのはいいことよね!何か共感できていいかも!」
さすがに全てを投げ出して井戸に飛び込むのはどうかと思うけど、と心の中で付け足しながら、ハデスが登場するシーンを読み進める。
しばらくページをめくった後、キョーコは手を止める。
「何かハデス様って……ちょっと敦賀さんに似てるのかも」
仕事熱心で、体調が悪くてもそれを押して仕事を優先する。
キョーコが思い出したのは、蓮の代マネをしたときのことだ。
風邪をひいて熱があるにもかかわらず、それを押して全て仕事をこなしていたのだ。

届いている台本を見ると、ショートドラマは原作に沿った内容で最初はコレット1人が登場し、冥府に行くまでが描かれる。
その後にハデスが登場し、コレットが治療するシーンが入るようである。
「内容としては第一話の分だけかしら……」
椹も短い時間だ、と言っていた。
とりあえず二話目まで目を通して、キョーコはコミックを閉じた。

「薬師と冥王様、かあ……これってめったに回ってこない役よね、やっぱり」
衣装や小物も、現代ドラマにはないものになりそうだ。
コレットは薬師で衣装はシンプルなものになるだろうが、ハデスは冥王。きっと高級な装飾品も用意されるだろう。
コレットの髪はやっぱりウィッグを使うのかな?部下の骸骨って誰か演じるのかな?それともCG?などと、色々想像するとわくわくしてくる。
「よーしっ!がんばろうっと!」
気合を入れるキョーコ。
この時はこの仕事を安易に受けたことを後悔することになるなどと、これっぽっちも思っていなかったのである。



「はい、カット―!処置のシーン、OKです。京子ちゃん、おつかれさまー」
監督からカットの声がかかり、キョーコはふーっと大きく息を吐き出した。

キョーコが話をもらってからわずか半月ほどで撮影は開始された。
どうやら蓮の都合に合わせるとどうしてもこの日程ということになったらしい。
キョーコも最初のうちは戸惑ったのだが、コレットの仕事に熱心な姿は自分と共通する部分がありすんなりと役に入ることができた。
薬師という職業を演じるのはもちろん初めて。使い慣れない道具で薬を作るシーンは少しぎこちなかったのかもしれないが、包帯を巻くシーンは完璧に演じてみせた。
「いやーキョーコちゃん、あざやかな包帯捌きだったね」
「いえいえ。看護師さんとか医療関係者なら、もっと上手だと思います」

最初は無名の新人の「京子」がどれほどの演技をするのかと怪訝な顔をしていた監督も、キョーコの演じるコレットを気に入ったらしい。
にこにこと笑顔で話しかけてくる。
「先に井戸のシーンは撮ったし、牢でガイコツと話すシーンも撮ったし……次はいよいよ冥府でハデスと出会うシーンだな」
「はい」
「敦賀君は……まだみたいだなぁ」

撮影はキョーコの演じるコレットだけが出るシーンから行われている。
ひととおりコレットのみのシーンをとり終わる頃に、蓮が合流して冥王ハデスとのシーンを撮る予定になっているのだが。
撮影が押しているにも関わらず、スタジオには蓮の姿はなかった。
「やっぱり……特殊メイクに時間がかかってるのでしょうか」
「多分、そうだろうね」

キョーコの演じるコレットは、シンプルな青い衣装にバンダナ。特徴としては大きなピアス。
長い三つ編みはウィッグを被るだけですむ。
さらにコレットは仕事人間なために着飾ることもなく、メイクもほとんど必要ない。

一方、蓮の演じるハデスは衣装こそシンプルだが、アレルギーのために肌に異常をきたしている。
肌を赤くしたり、発疹があるように見えるように特殊メイクが施されるのだ。

「仕方ない、先にガイコツとのシーンを撮るか。使うかは分からないカットだけどな」
監督が進行表とにらめっこしはじめると……スタジオの入り口がにわかにもりあがりをみせる。
キョーコが振り返ると、ちょうど蓮が入ってきたところだった。
蓮はまっすぐ、監督とキョーコの元に歩いてくる。

「遅くなってすみません」
「おお、敦賀君。今日はよろしく。……って、見事なメイクだなぁ」
「ええ。おかげでずいぶん時間がかかってしまいました」
蓮は苦笑する。
その顔もいつもより赤みがさしていて、あちこちに発疹が出ている。(ように見えるメイクが施されている)
特殊メイクは顔だけにはとどまらず、露出している肌のにも見える。
「じゃ、敦賀君も来てくれたことだし。冥府のセットの最終確認をして撮影を始めよう」
「はい」
言うと監督はスタッフたちが集まっている方に歩いていく。

「敦賀さん、おはようございます」
「ああ、最上さん。おはよう」
監督を見送った後、キョーコが挨拶すると蓮はにっこりと微笑んだ。
「最上さんの撮影は順調?」
「はい。予定していた分はほぼ撮り終りました。あとはハデス様とのシーンがほとんどです」
「そうか。待たせちゃって悪かったね」
「いえ。私も結構リテイク出してしまって時間も押していたので、全然待ってないです」
蓮がすまなそうに言ったのでキョーコは慌てて否定する。すると蓮はくすりと笑った。
「最上さん、そんなにリテイク出したの?」
「あ……はい」
「今回の役、難しかった?」
「いえ。コレットを演じるのは問題はなかったのですが」
「ん?」
「その、ガイコツとのシーンが難しくて」
「ガイコツ?」

冥府の王ハデスの家来はガイコツ。
彼らはCGで表現されることになっている。

「はい。ガイコツはCGで後から処理していただくので、何もないところに話しかけたりリアクションしたりしなくちゃいけなくて。パントマイムでうまく表現できなくて」
「なるほどね。最上さんには初めての経験だったわけだね」
「はい。あと、どうしても目線をどこにやっていいのか分からなくて」
眉間にしわを寄せてむー、とうなるキョーコを見て、蓮はくすくすと笑いをもらす。
「あっ!敦賀さん。笑うなんて失礼ですよ!!」
「ごめんごめん。でも、いい経験になっただろう?」
「はいっ!」
満面の笑みで頷くキョーコに、蓮は柔らかい笑みを浮かべた。

「それにしても敦賀さん……すごい特殊メイクですね」
「ん?ああ、そうだね。でもBJの時よりは時間がかからなったかな」
蓮が同意した後に小声で続けると、キョーコはいたずらっぽく笑った。
「そうですね」
「でも全身だからやっぱり同じくらい時間がかかっているかも」
「え?全身やっているんですか?」

ハデスは太陽のアレルギー。
衣服から露出した部分にアレルギー反応が出て、肌が赤く赤く腫れて発疹が出ているのだ。
コレットが治療する上半身はフルでメイクされているのは想像がつく。キョーコは思わず、蓮の足もとを見た。
蓮の言うとおり、服の裾から見えている足首あたりから足の甲まで、しっかりと特殊メイクが施されている。
「どの角度で映りこんでも大丈夫なようにってね。隠れている部分もしっかりやってくれているよ」
「そうなんですねー」
まじまじと蓮の腹部を見つめるキョーコに、蓮はにっ、と笑ってみせる。
「……実は下着の中の結構際どいところまでやられちゃってるんだけど、確認してみる?」
「へっ?」
夜の帝王と言うにふさわしい、妖艶な笑みを浮かべる蓮。
キョーコの顔に一気に熱がこもる。

「ははっは!破廉恥ですーーーーーー!」
キョーコはずざっと後ずさり、蓮から離れる。
その様子を見て、蓮は口元を押さえて必死に笑いをこらえる。
「く……くくっ」
「つ!敦賀さん?!」
蓮にからかわれたと気づいたキョーコは、ダッシュで蓮の元に戻ってくる。
「んもう!からかわないでください!!」
「ごめん、ごめん」
「敦賀さんとハデス様って似てるかも、って思ってましたけど。敦賀さんの方がずっと意地悪です!」
「ん?それはどういう意味かな?」

2人がぽんぽんとテンポのよい会話を続けていると、横から遠慮がちに声がかかる。
「2人とも、そろそろストップ。撮影が始まるよ」
声をかけたのは社で、準備が進められているセットの方を指差した。
キョーコと蓮がそちらに視線を移すと、ちょうど監督が台本から顔を上げてこちらを見たところだった。

「2人ともお待たせ。準備が整ったから始めようか」
「「はい」」

2人は声を揃えて返事をする。
「それじゃあ敦賀さん、よろしくお願いします」
「こちらこそ、最上さん」
向かい合ってお互い軽く頭を下げると、2人はセットに向かって歩き始めた。

【NEXT】
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最初は1話完結のはずが、前後編になり、最終的に3話構成になる予感。
何だこのダラダラ感……


素敵スキビサイト様への玄関口。
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